【珍スポット】三角のお墓?

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三角のお墓ってどゆこと?

こんにちは!PKやまもとです。

みなさん、楽しい楽しい珍スポットのお時間がやってまいりましたよ~。

今回ご紹介いたしますのは、世にも珍しい“三角”の形をしたお墓です。

佐世保のひとなら、ひょっとして知ってらっしゃる方も多いかも。

お墓って、ふつう四角ですよね?

丸・・・も見たことはないですが、古墳は丸いのありますもんね。うん。

でも三角はないみたいなんですよ。古墳でも。

外国ならあるかもしれませんが、一番有名なものでピラミッドでしょうか。そりゃでかすぎる。

その三角のお墓は、『千灯籠まつり』『潜龍酒造』などで有名なまち、江迎町にあります。

江迎町にやってきました

車を走らせること30分。江迎町に到着しました。

江迎地区公民館そば。写真右手の墓地にあります

心の中で「おじゃまします」と言いつつ、右手側の階段を静かにのぼっていきます。
(ほかにもたくさん眠ってらっしゃるので、ワイワイ騒がないようにしましょう)

そのとき、わたしと同じくカメラを持った男性とすれ違いました。

県外のB級スポットファンもうならせる名所。その人気は健在のようです。

 

着きました。

ね、ね、三角でしょー!

正確には三角錐ですが、台石や花を挿す鉢まですべてが三角です。こだわりがすごいんですよ。

墓碑に刻んである文字なんてもう、読みにくいったらありゃしない。

しかも平面にではなく稜線越しに刻んでくれ、というのですから。職人さん泣いたでしょうね。

現在だったら「オレのクライアントやばいんだけど」ってツイッターで愚痴っても良いくらいですよ。

しかし、これはとってもいい仕事です!

ちなみに刻まれた文字は、「○十院殿釈有耶無耶大居士」

レイジウインデンシャカウヤムヤダイゴジ。うやむやって。

思わずキョトンとしてしまう戒名です。

このお墓にねむる人物の名前は、徳田真寿氏(1867-1944)

彼の遺品が展示されているという、江迎支所に向かいました。

 

徳田真寿ってどんなヒト?

大正中~後期に撮影されたもの。 写真中央の、ハットをかぶり、大きな丸メガネをし、誇らしげに特大のパイプをくわえた、とってもストレンジな出で立ちのすごいひとが徳田真寿氏

【徳田真寿(1867-1944)】
日本の明治・大正・昭和初期の金融業者。特異な言動の数々から、『天下の奇人』と全国的に名を馳せました。

江迎町に生まれ、日清戦争で海軍に従事したあと、ふるさとのこの地で「頓痴奇屋(とんちきや)」の屋号を称し、金融業を営んだそうです。

全国レベルで名を馳せるってよほどですよね。どんな感じだったのかというと・・・

●趣味は旅行と古銭、切手収集。特に古銭のコレクション数は国内外のもの含め2~3000にのぼり、全国のコレクター番付に名を連ねていたほど

●買い物のときにはメリケン袋(小麦粉が入っていた袋)に一銭銅貨をじゃらりと入れて天秤に下げ街をブラブラ。支払いは「全部これで払うね~(ジャラジャラ)」レジのひとがぽかんとしてしまうやつですね

●トレードマークはシルクハットと、特大メガネ、不思議の国のアリスのウサギが持っているような大きな懐中時計

●年賀状など季節の挨拶をしたためるときにもブラックユーモア爆発、ダジャレ連発

●以上のようなふるまいから、ときに警察に通報され、行動を監視されたりもした

価値観が多様化した現代だと、“とてもマニアックで、一風変わった面白いひと”となるんでしょうけど、当時はかなり周囲を驚かせた存在だったんですね。

 

こちらは、江迎支所に展示されている、氏が愛した調度品の一部。遺族の方によって寄贈されたそうです。
※撮影許可いただきました





調度品、家具、杯に皿、お箸まで(お箸はバトルえんぴつを思い出す形状です)。

三角、三角、三角・・・。

ここまでなもんかと。

全部が特別にあつらえたもので、輪島塗だというのだからとんでもなく高級品ですね。

自分のこだわりにお金をガンガン使えちゃうって、なかなかできないものです。

伝統工芸と三角の奇抜なデザインは、時代を超えても魅力的に、そして新鮮に映ります。

なんと実印も三角!しかも大きい。とても可愛いデザインです

徳田氏は10代の頃から三角に興味を持ち始めたそうです。

彼曰く、「三角形は円に通ずる。三角形を合わせると円になる。円は時間・空間・無限の発展性を表し、安定性もあり、一円融合の精神ともつながる。三角の膳をつなぎ合わせれば車座になり、みな輪になって喜びを共にできる」と。

・・・ふむ。

PKの貧困な発想力では、「・・・つまり、ピザか!」と思うことで精いっぱいでした。

しかし、確かに説得力のある言葉です。

徳田氏の持つ三角コレクションや写真で見る佇まいからは、どこかポジティブなものを感じるからです。

周囲の人々や警察官に「またか・・・」と呆れられながらも、憎めない存在であったことは確かでしょう。

三角に宿った人生哲学は、彼の人柄と人生を強く支え続けてきたのかもしれません。

明治から昭和初期を駆け抜けたアウトサイダー・徳田真寿

彼が眠る江迎の地に、ささやかなリスペクトを感じたのでした。

そういえば千灯籠も三角ですね。この写真は内部のもの。(photo by YOJI YAMAMOTO)

 

“I♡とんちきや”イベントもある繭玉まつりは3月3日から!

さて、とってもカンタンにご紹介しましたが、まだまだ徳田氏にまつわるおもしろエピソードや展示品はたくさんありますよ~。

特にお墓の門柱に刻まれている文字は、没後もユーモアを貫く徳田氏の魅力満載です。

記事でご紹介した場所がガイド付きでまわれるツアー『ガイド付き「とんちきや展」』が、3月31日(日)に『肥前えむかえ繭玉まつり』内で行われます!
投稿が見つかりません。

開催スケジュールは、11:00/13:00/15:00に「いっぷく処」にて集合。とんちきやこと徳田氏のお墓→江迎支所1階の展示というコースをガイド付きで巡る内容です。

ぜひ、その目でたっぷり見てみては~。

色とりどりのがてんてんと街を彩るイベントですが、徳田氏の愛した三角について想いを馳せてみるのもいいかもしれませんよ。

 

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「わたししか知らないヒミツのスポット教えてあげても良いよ」だったり「気になる所があるんだけど調べて!」ってのがありましたらどしどしどしどー。

お待ちしております~。

 

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