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安倍晴明に団子をご馳走になった津上邦明は、晴明につられて席を立つ。
晴明は立ち上がると津上に声をかけた。
「こんな所で男二人突っ立っていてもしょうがない。私が案内してあげましょう」
「案内って、何処にです?」
「あそこです」
晴明は色白の細い指で、大きな神社のような建物を指さした。
「あの建物は何ですか?」
「見ての通り、神社のようなものです」
晴明はニヤリと微笑むと、津上を連れて、人ごみの中を歩きだした。
参道のような一本道を二人はゆっくりと歩いていく。
前を歩く二人組の男たちは顔に狐の面を被っていた。
可笑しい。この参道を歩いている者たちは、明らかにこの世の者ではないような気がする。
自分はいったい何処に連れて来られてしまったのだろう?
津上の心に不安がよぎる。
その時、前方から声が聞こえた。
津上たちの前を歩いていた狐の面を被っていた二人組が、さっと道を開ける。
目の前に、立派な甲冑を着た大男が仁王立ちになって立っていた。
その顔は、鬼のように恐ろしい。
髪は、天に上るように逆立っていた。
「お前は、この世界の者ではないな。何者だ?」
大男は、声を張り上げる。
横にいた晴明が、すっと津上の前に出た。
「これはこれは、増長天さま。この若者は、わたくし安倍晴明の客人でございます。高天さまからいっときの間、お預かり致しました」
「おぉ、晴明か。その者を高天から預かったんだな?では、俺が探していた者に間違いない。もう一人、女性は預かっておらぬか?」
大男は、周りをギョロリと見渡す。晴明は涼しげに問いに答えた。
「はて、女性は預かっておりませぬな。確か女性を探しに行くと申されておりましたが・・・。何か不具合でもありましたか」
「うむ。今日の式典に招かれている客人が二人足りないのだ。もう時間が迫っておる。われわれ四天王が二人を探しだす任務をおっている」
「四天王の四人とも駆り出されているのですか。大ごとになってますな」
晴明は顔をしかめる。
増長天は大げさに頷いた。
「実はな、晴明。それだけではないのだ」
「ほう」
「この式典にかこつけて、邪悪な者たちが紛れ込んでいるとの情報が入った。その者たちの行方も、我々が追っておる」
「なるほど。それで、四天王がそろって駆り出されている訳ですね。して、どのような者たちなのです?」
「斉天大聖の一味どもだ」
「斉天大聖?あの石猿ですか。それは厄介な・・・」
晴明は、小さなため息をついた。
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