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トンネルを抜けると、そこは青空だった。
先ほどまでの曇り空は何処へ消えたのか?
謎の老人の後を追うように、須佐トンネルを抜けた津上は、驚き言葉を失う。
神々しい光に包まれたかと思うと、目の前に長い一本道が現れ、小京都の街並みのような風景が広がっていた。
遠い道先には大きな神社のような建物が聳え立っている。
道の両脇には、食べ物屋や土産物屋がずらりと店を構えていた。
まるで初詣での神社の参道に迷い込んだような気分になる。
通行する人々に目を向けた津上は、思わず顔を顰めた。
皆、恰好がおかしいのだ。
十二単の煌びやかな着物を着た女性、まるで合戦に向かうかのように鎧に兜を纏った大男、真っ白な長い顎髭を蓄えたぼろぼろの作務衣姿の老人。
不思議な姿をした人物たちが巨大な神社の参道を楽しそうに行き来していた。
「何をキョロキョロしておる。先を急がなければならんぞ。はぐれないように付いてきなさい」
老人はすぐに歩き出す。
津上は、人込みをすり抜けながら、迷子にならぬように老人の後を追った。
甘い匂いにつられて、ふと店先に目を向ける。
団子屋の入り口に設置された長椅子に、着物袴に水干を纏い、頭に立烏帽子をかぶった男が一人座っていた。
美味しそうに、串に刺さった団子にかぶりついている。
陰陽師のような恰好をしたその男は、口をもぐもぐさせながら、津上に声を掛けた。
「珍しいな。ここに迷い込んだのか?」
「えっ、僕ですか?」
「そう、貴方に話しかけている」
「僕は、あの老人にここへ連れて来られました。ここはいったい何処なんですか?」
「なんだ、案内人がいるのか」
男は老人に目を向ける。その気配を感じとったのか、老人がとっさに振り向いた。
「おぉ、晴明か? 久しぶりじゃの。ところで、若い女性を見かけんかったか?」
「若い女性? はて、見かけませんでしたな」
清明と呼ばれた男は、首を傾げる。
津上は、頭の中で清明という名を必死に思い出していた。
「えっ清明? まさか、あの安倍晴明か!」
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