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アルバカーキ橋から駐車場に移動した町田探偵と古賀警部補の二人は、須佐神社へと車を走らせていた。
須佐神社には、女子高生神隠し事件を担当している秋山警部補が待っている。
先ほどまで晴れわたっていた青い空に、真黒な雲が覆いかぶさるように姿を現していた。
「秋山警部補、よく向こうの事件の捜査から抜け出して、こっちに来る時間を作ってくれましたね」
「秋山君は、こういうオカルト的な話は大好きだから。まぁ、彼も話したいことがあるって言ってたから、また直感でも閃いてるんじゃないんですか」
「まさか、自分が秋山警部補の直感を頼りにする日が来るとは、思ってもいませんでしたよ」
古賀は、日に焼けた顔をゆがめながら、苦笑いを浮かべる。
町田は整った端正な顔をそのままに、無表情のまま相槌を打った。
須佐神社の駐車場には、一台の白いセダン車が停まっている。
白いマツダアテンザの前に女性を連れた秋山警部補が立っていた。
「秋山君、忙しいところ申し訳ない」
町田が軽く頭を下げる。
秋山は、人懐っこそうに白い歯をみせた。
「ヒロさん、何、言ってるんですか。指輪が消えたって話を聞いて、いてもたってもいられなくなりましたよ」
「こっちに来たのがバレたら、杉本課長に怒られますよ」
横から古賀が話に割って入る。
秋山は、古賀の方に目を向けた。
「古賀先輩、情報回していただいて、有難うございました。課長にバレた時はバレた時ですよ。その時は、確実にカミナリ落とされるでしょうけどね。あっ、ついでに僕の部下を紹介します」
秋山は、涼しそうな顔で古賀の問いに答えると、隣に立っていたふくよかな色白の女性の肩をたたいた。
「初めまして、長崎県警本部捜査一課の五反田です。よろしくお願いします」
五反田は、緊張した面持ちで直立不動に敬礼する。
その愛嬌のある顔に、町田と古賀は思わず笑みを漏らした。
「いや、僕がこっちに顔を出したのは、実はちょっと話しておきたいことがあったからなんです」
秋山は、真剣な表情で二人の顔を見比べると、スーツの内ポケットから一枚の紙を取り出した。
「これ、長崎県警の公式な報告書のコピーなんですけどね。この日付の部分を見てみてください」
報告書を手渡された古賀は、町田と交互に目を通す。
五反田は、秋山の隣で目をパチクリさせながら、二人の姿を見つめていた。
つづく
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