学生起業!?自分のお菓子、佐世保を元気に

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19歳の経営者 奥野七海

奥野さんは長崎県立大学に通う2年生。

学業と並行して、店舗を持たないスイーツショップ「ラメール」を経営している。

お菓子の製造から販売まで、すべて一人で担う彼女。お菓子作りと出会い、19歳で経営者となるまでの経緯を紐解いていこう。

お菓子作りとの出会い

彼女のお菓子作りとの出会いは、高校1年生に遡る。

新型コロナウイルスが感染拡大していた2020年、学級閉鎖が相次いで、家で過ごす時間が多くなった。ステイホームが呼びかけられ、たまに友人と会うにもお互いの家で。

だが、制限の多い環境は彼女の現在に大きな影響を与えた。食品科学科のある高校に通う友人が、お菓子作りを教えてくれたという。

段々と腕が上達してきて、学校の友人にも振る舞うように。

「お菓子をあげたとき、友達が『ありがとう!』と喜んでくれるのが何より嬉しかったんです。」

大学生の自分と、経営者の自分。

大学生であると同時に、経営者でもある彼女。

学業の傍らアルバイトをし、加えてラメールを経営、と目まぐるしい毎日を送る。

ラメールは店舗を持たず、主にイベント出店での販売を行う。

中でも、毎月第3土曜日に京町商店街で開催される「京町ニコニコ市」には頻繁に出店しているという。

「私がお菓子作りをしている話をしたら、ファーペン(長崎県立大学の起業サークル)の先輩が、『ニコニコ市に出してみたら?』と提案してくれました。もともと、いつかは自分のお菓子を売りたいと思っていたので、試しに一度出店して。そこから定期的に出店するようになりました。月に一回は、何らかのイベントに行けたらいいなあと思っています。」

「佐世保の市街地にキッチンを借りて、お菓子を作っています。」

長崎県立大学に通う学生の生活エリアから佐世保市街地までは、バスで30分ほどの距離がある。そんな中、彼女は材料の買い出しから製造まで、全てひとりで行っているという。

キッチンに行くたび、ちょっと苦痛。

「小麦粉2キロ、砂糖2キロ、チーズ1キロ、生クリーム1キロなどをキャリーケースで買いに行きます。」

特に時間がかかるのは包装作業で、深夜3時頃までかかることも。

それから自宅に帰って仮眠を取り、午前中からのイベント出店に間に合わせるため7時には起きて出発する。

「利益の計算も、自分でやってます。目標利益を決めて、そこから1つ当たりの値段を決めています。」

すべての工程を毎回一人で行うのは大変。なので、バイト先の友人や先輩に夜遅くから手伝ってもらったり、車をだしてもらったり周りの助けも借りながらなんとかこなしているという。

周りの人の支え

「バイトもラメールも頑張れる理由は、周りの人の支えがあるからです。

ラメールを手伝ってくれるのも、バイト先の先輩だったり、友人だったりします。

やっぱり頑張れるのは、周りの人がいるから。支えてくれる人がいるからです。」

そして、人とのつながりは出店しているときにも。

『イベント出店時には、街の人とおしゃべりできるのがすごく嬉しいし、人と人との繋がりを感じます。「将来お店出すの?」とか、「大学生なのにすごいね!」とか、周りの方が話しかけてくれて、これがやりがいになっています。』

「出店しているときは、基本的に座ってるだけなんですけど、街の人とおしゃべりして声をかけてもらえるのがすごくうれしいです!」

月に一度はイベント出店し、地域の人々との交流も楽しむ。彼女がラメールを始めることになったこの街について聞いてみた。

Q.奥野さんからみた佐世保の街は?

A.佐世保は、若者が活躍しやすい環境ではない気がします。ニコニコ市に出店しているのも、若くても30代前後の方が多い。起業サークルなどに入っていないと、活躍できる機会も少ない。

それから、もっとおじいちゃんおばあちゃんが過ごしやすい街になるといいな。満員バスで座れないお年寄りがいたり、バスの時刻表が見にくくて、来るバス全部に行き先を訪ねているのを見ました。今の佐世保は、おじいちゃんおばあちゃんに優しい街とは言えない、、

お菓子づくりの制作、販売を通じて地域と関わる彼女。佐世保が、誰もが住みやすい、優しい街になってほしいと考えているようだ。彼女のお菓子が食べた人を優しい気持ちにして、この輪がどんどん広まっていってほしい。

モットーと、これから

大学生と経営者。二足のわらじを履いて多忙を極める彼女に、モットーとラメールの今後の展望を聞いた。

「人に怒らないくらい、余裕のある人になりたいです。忙しいとイライラしてしまうこともあるけど、人にあたらない、優しい人でいたいです。

そしてラメールは、大きく、企業化、サークル化したいです。仕事なので、楽しさだけでなく、辛くなることもある。成分表示を作って、ラベルも作って、機械やPCが苦手で使いこなせないので、ロゴは全て手書きなんです。それが使えたら楽なのになぁ。

今は材料の買い出しから販売まで全て一人でやっているけど、本当に大変。サークル化して、製造、食品表示制作、運送、とパートに分けて、みんなに手伝ってもらえたら。」

抱える課題に触れつつ、大きな目標を語ってくれた彼女。今年の夏ごろまでにはサークル化したいと考えているそう。

今後のラメールにも目が離せない。

読者に向けて

「皆さん、ぜひお菓子を買いに来てください、お待ちしております!インスタグラムのフォローもよろしくお願いします。」

次回 京町ニコニコ市にも出店予定。

6月17日(土)10:00~17:00

instagram→la_mer.pastryshop

~ラメールの由来~

フランス語で海を意味する。七海さんの「海」から来ている。

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