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こんにちは。させぼ通信、大学3年生ライターの深江百笑です。以前参加させていただいた佐世保の未来について考えるイベントでお会いした学生起業家である永江健太郎さん(以下、永江さん)に取材してきました。
佐世保工業高等専門学校(以下、高専)に通う現役高専生として学業に勤しむかたわら、主に教育に関する事業を行う株式会社レインボーブライトの代表取締役を務める彼。
彼の教育への想いや起業という選択をした理由は何なのか、彼自身や彼の経験について紐解いていこう。
彼が教育について考え始めたのは中学3年生のころ。
当時、高専への進学が決定していたこともあり、よく友人に勉強を教えていたという。その際に友人に「すごくわかりやすい!!」と褒めてもらえたことがきっかけで、歳の離れた学校の先生に比べて、自分自身の方が何が分からないのかを理解することができ、かつ共感できるのではないかと思ったそう。
もちろん、大人数を指導するのはプロの先生の方が優れていると思うんですけど、1対1で指導する分には年齢が近くて、親近感が湧く同世代の方が向いていると思いました。
また、実体験だけでなく社会に対する問題意識から“教育”の重要性を感じたという。
日本社会において少子高齢化社会が進んでいるじゃないですか。だからこそ、人が少ない分、優秀な人が育つ必要があると思うんです。そういう意味で教育って大事だなと思っています。
学業そして学生起業家として勤しむ永江さん
中学3年生の頃の経験や思いから、コミュニティセンターで学習支援のボランティアを行った際に違和感を感じたという。
ボランティアでの学習支援ということで、場所代のみ数百円払ってねという感じであったため、お互いに緊張感がないということに気づいたんですよね。教える側としても、お金を頂いた方が責任を持ってできるというのもあるし、教わる方も無料で教えてもらうより、有料の方がお金をせっかく払ったから聞かなきゃいけないという意識もあるなって思って。安いから、無料だからいいとかじゃなくて、ちゃんとサービスとして価値を提供しながら、お金を動かす仕組みを作った方がいいということに気づきました。
また、受験教育が進む中で、教育の本質が失われつつあると感じた彼。学び方を学ぶことが将来の成功につながる重要なスキルだと考えたこともきっかけの一つ。
このようなことから起業を選択。ここから、彼の学生起業というチャレンジが始動。
教育に関わる事業での起業にあたって、質の良い1対1の指導を行うためにスキルや経験を積む必要があると感じ、開始した塾講師のアルバイト。アルバイトを行う中で、無料で人に勉強を教えることと、お金をもらって勉強を教えることの違いや責任についてとても学んだと語る。
1年間のアルバイトを行い、高専4年生、一般的に言えば大学1年生の歳という節目の年に起業することを決断。
オンラインでの個別指導塾を運営する株式会社レインボーブライトのマーク
教育に関わる事業で幅広く挑戦したい、という熱意から起業した彼だが、元々起業したいという思いを持っていたというわけではない。そのため、現在進行形で経営に必要な経営学や法学などの学びを深めている最中だと語る。また、教育現場の生の声にも耳を傾け、あらゆる方面から教育にアプローチしているという。
日本って教育格差を感じる部分があるんです。まず1つは長崎県特有の問題ではあるんですけれども、離島は特にあるなと思ってて。教育格差と聞くと、数学とか英語とかの科目を思い浮かべる人が多いと思うんですけど、そうじゃなくて課外活動とかそういう幅広い意味での教育が遅れていると感じています。キャリア教育などのイベントって佐世保市や長崎市とかではあっているじゃないですか。でも離島の方にはそのような機会が足りてないと思います。
2つ目が今、GIGAスクール構想という文科省が勧めている取り組みがあって、1人1台パソコンやタブレットが配られているんですけど、教員によって得意不得意があって、それに生徒が左右されているという事例があって。先生の先生という立ち位置も今必要なんじゃないかと思っています。
*GIGAスクール構想
教育現場でも先端技術の効果的な活用が求められる時代において、児童・生徒へ1人1台端末を提供し、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのなく、公正に個別最適化された創造性を育む教育を、全国の学校現場で持続的に実現させる構想。
教育者、経営者として講演をする永江さん
自身の目に届く範囲の教育だけでなく、幅広く教育現場に向き合う彼。自分自身が学ぶ分野である工学と教育の融合というチャレンジも見据えている。
今後の目標を教えてください。
起業した時もそうだったんですけれども、長期的な目標とかはあまりなく、目の前にある課題に向き合っていくという感じで、今できることをやろう!と始めて、今もそのような思いで行なっています。また学んでいる工学と教育の融合というチャレンジを行なってみたいと思っています。
工学と教育…難しそうですが、どのように結びつけられるんですか?
まだ、構想段階なのですが、タブレット端末等の電子上でとったノートから試験問題予測のような感じで問題を生成できるツールができたら面白いんじゃないかって思って。
そのようなアプリぜひ、大学生として作っていただけると嬉しいです!!
そうですよね。結局知識が定着するのは、教科書を読んでいる時というより問題を解いて、間違った時だと思うんです。なので、復習のサイクルに目をつけて、新たなチャレンジをしていきたいです。
教育への課題やアプローチできることがある限り、彼の挑戦はまだまだ続く。
自分自身の体験談ベースなんですけれども、目標がしっかりなくてもいいので、今自分の手の届くことをとりあえずやることが大事だと思います。よくある話なんですけど、やって後悔することってあんまりないけれども、やらなかったら後悔すると思うんです。やってみて、どういう結果が出たとしても得られることがあると思うので、悩んだらやってみて欲しいです!!
なんとなく、何事も目標を立てて取り組むことが重要だというステレオタイプ的考えを持っていましたが、そうではないということに気付かされ、大学生3年生として人生の岐路に立つ私自身、学ぶことが多い取材となりました!
株式会社レインボーブライトの公式ホームページ https://rainbowbright.co.jp
永江さんのFacebook https://www.facebook.com/profile.php?id=100089402345117
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